感度分の16 青空の露出は世界中一緒
「絞りをf16に、シャッタースピードはISO感度と同じにする、
それが晴れた時の露出」。
誰に聞いたのか、どこかで読んだのかは覚えていないが、僕は青い空、白い雲
が出ているときは迷わずこの組み合わせで撮っている。例えば感度400の場合は
シャッタースピードは1/400秒(カメラに1/400秒の設定がなければ1/250秒でいい)。
感度が100なら1/100になるし、感度が1600なら1/1600にする。いずれの場合も絞りは
f16。これを僕は勝手に「感度分の16」と呼んでいる。
太陽から地球までの距離を考えたら、世界中どこでも、どの季節でも、届いている光の量はほぼ一緒のはず。それなら晴れた日の露出はひとつでいいことになる。この設定を使い、ネパールの4000mの高地や、赤道直下の南の島、ヨーロッパもアメリカも、もちろん日本でも撮ってきた。行ったことはないが、北極や南極大陸でも同じはず。なぜなら宇宙ステーション
から地球を撮るときの設定がまさに「感度分の16」だからだ。
もしこれを読んでいるときに窓の外が青い空なら、手元にあるデジタルカメラで
「感度分の16」で撮ってみて欲しい。もしかするとカメラの機種によっては再生した
画像が背面モニターではちょっと暗めだと感じるかもしれないが、そのファイルを
フォトショップで開くと、今まさに窓の外に見ているのと同じ青い空がモニターいっ
ぱいに広がっているはずだ。
明るさの調整スライダーをちょっと振ってあげればデータが破綻することなく望みの空の色にすることもできる。「感度分の16」は晴天時、人間が見た一番白い場所が写真上で飛ばないギリギリの白で記録される設定だと考えてもいい。だから白い雲や白い壁ははディテールを残した白として再現される。デジタルデータでもっとも嫌われる、いわゆる「白飛び」をしない露出なのだ。
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