Hについて


Hは写真のワークショップとして、ちょっと変わっているかもしれません。


江古田(練馬区)で14年間続けてきた「ワークショップ2B」は、事務所ビル建て 替えにより場所を阿佐谷(杉並区)に移し、「H」(エイチ)と名前を変え2018年4 月から新規にスタートしています。


2B時代から、ワークショップに参加してくれる方の中にはプロとして雑誌や広告の分野で活躍していたり、すでに写真家としての活動を長年続けている方もいます。その横にはカメラを触ったこともない人が一緒に話を聞いていたりします。年齢層も16歳から70歳まで、職業もバラバラ。普段出会うことはない人たちが写ワークショップを通してお互いを知ります。実はこのことが写真をやる上で一番大事なことではないかと思っています。


講座では

写真を撮ることとして光をどう扱えばいいのか、構成はどうするのかを実践的におこないます

写真を見ることとして数多くの写真集を参考に写真の歴史や背景を説明していきます

写真を見せるために撮った写真をセレクト、プリント、する流れを体験します


最終的にはグループ展を通して自分の作品を作り上げます。グループ展をきっかけにメーカー系のギャラリーでの個展や、専門誌への掲載、写真集の出版、海外のフェスティバへの参加、アワードの受賞などにつながっていきます。


渡部さとるがHで伝えたいこと


「わからない」ということを考えるのに写真はとても便利なメディアだと思います。

インスタレーションもそうですね。
動画は向きません。わからない動画は苦痛ですから。
仕事でずっと「わかるように」に撮ってきたので、ずっと気がつけませんでした。

近頃ようやく「わからない」ことを楽しめるようになってきました。
Hでは写真の撮り方と同じくらい、むしろそれ以上に「写真をどう考えるか」という事を行っています。
これは渡部さとるが近頃考えている「見る態度」であり「作る態度」も同じだと思っています。



1 出会う
2 違う考えがあることを知る
3 違う意見を理解するように努める
4 違いが理解できないことを知る
5 違いをわからないままにする
6 結論を出さない


1 出会う

とにかく出会わないと。ものごとははじまりませんよね。出会いかたはさまざまです。

絵画の始まりは壁画でした。それが板に書いた絵(タブロー)になり移動して他の場所で見ることができるようになり、複製可能な写真や映画が生まれたことで離れた場所でも同じものが共有可能になりました。

そしてインターネットの普及は出会いかたを大きく変えてしまいました。


2 違う考えがあることを知る

出会うことによって、 良くも悪くも「自分じゃ考えもつかない」ってことが起こります。

違いがある、その差異を認識します。違いの容認です。

これがダイバーシティ(多様化)ということです。同じ方向だけを向かない。


3 違う意見を理解するように努める

その差異は何なのか、自分の経験や作者のテキストがあれば、それをもとに考えます。

考えるには言語化が必要になります。言葉なしに考えることはできません。

考えることは見る(作る)行為においてとても重要になります。


4 違いが理解できないことを知る

どんなに考えても他者を(自分を)理解できない場合があることを知っておく必要があります。

日本語で考えているのなら、日本語にないことは考えても理解できないことになります。


5 違いをわからないままにする

わからないものを無理に自分のものさしで計ろうとしたり、わからないからといって排除することなく、わからないことが世の中にあることを認める。そしてそれを)ほっておく態度が必要です。

日本語には白黒つけないという言葉がありますね。

 近頃では態度を明らかにするということが良いとされていますが、曖昧ことがいいんです。


6 結論を出さない

わかったとか、わからないとか、結論を簡単に出さない。

作者が何を考えているかなんて答え合わせをせず、モヤモヤは、モヤモヤのままでもいいんです。



良いものを見ると「誰かにに話たくてしょうがない」という欲求が生まれると僕は思っています。
「受け取っちゃったから、返さずにはいられない。作者に直接返せないから、とりあえずこの気持ちを他の人へ」って感じです。
見ていて作者の「そうせざるを得ない」が伝わってくるときがあります。
そういうものに出会えると「あれ、よかった」と人にいいたくなるんです。


そういうもの作りたいですね。

見ることと作ることは背中合わせなので、Hでは写真を見ることとを積極的に行っています。